災害がきっかけで作られたアプリ「LINE」は、学校現場で「SNSいじめ」を助長するアプリだと、アプリ名を出されて非難されることがありました。これはアプリ「LINE」が悪いのではなく、使用者が間違った使い方をしたことに原因があります。ある校長会が作成したポスターの「LINEいじめはやめよう」を見るたびに、「アプリ」が悪いのではなく「使う人」が悪いのだと考え、一方的な非難の言葉にやりきれない思いを抱えていたことを思い出します。もともと「LINE」は、「既読無視」をしていじめに使うためではなく、「既読」が安否確認になる、素晴らしい理念で作られたアプリです。「LINE」だけでなく、災害対策に作られたアプリはたくさんあります。
また、学校現場で活用できそうな学習アプリやコミュニケーションアプリもたくさんあります。実際にテスト勉強や受験勉強でスマホを活用している中高生も少なからずいます。
包丁は使い方を誤ったら人の命を奪うこともあります。でも、家事に必要な道具として家庭で普通に使われています。人にけがをさせるから、命を奪うことがあるからと、包丁そのものを非難することはあるでしょうか。「スマホ脳」などのスマホに対する考え方はこれと同じことではないでしょうか。
要は、スマホを使用する人間がどう活用するか、です。
今を生きる小中学生は「デジタルネイティブ」です。生まれた時から「デジタルガジェット」が身近にある世代です。それを道具として、生活を豊かにするため、有効に活用するための理念と方法を教えることが我々教師に求められているのではないでしょうか。文部科学省が推し進める「GIGAスクール構想」もこのためにあるのだと考えます。
「食事中にスマホを使うからスマホはダメ」ではなく、まずその前に食事時のマナーを適切に教育する必要がありますね。保護者の教育力に期待したいです。