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2021-02-18

学校における部活動の在り方について

 ・・・部活動はなんのため?大会・コンクールに入賞することが一番の目的じゃないですよね?・・・

男子800mロンドンオリンピック出場・現陸上競技指導者 横田 真人 氏

 「一部の選手だけに光を当てる“勝利至上主義”は、スポーツが衰退していく原因にすらなると思っています。


 部活動の在り方については、オリンピアンからも疑義が出ています。一部の部活動にある「勝利至上主義」が子供の心身の発達を阻害したり、体罰につながったりと、「行き過ぎた部活動」が、純粋にスポーツを楽しみたいと思っている子供から、逆にスポーツを遠ざける結果となっていることは否めないことです。

 平成18年に文部科学省「中央教育審議会」で中体連や高体連の責任者との協議が行われていましたが、以下のことが委員から、中体連・高体連に検討事項として挙げられていました。

中央教育審議会スポーツ・青少年分科会スポーツ振興小委員会(第2回)議事要旨

平成18年5月19日(金曜日)


○今までの伝統的な運動部活動、つまり一つの種目について週に何時間も拘束されるような形態のものについては見直し、スポーツを楽しみたいという子どもたちの欲求に学校側がどう応えていくのか、という点について中体連や高体連にご検討いただきたい。

○専門的指導のできる教師の減少傾向が見られる、という点については、教員になる者は本質的に運動部活動の顧問を担う専門性を身に付けているものではなく、そもそも専門的指導のできる教師はいないところからどう確保していくか、という問題であると考えている。また、中学・高校の運動部活動を活性化していくほど、地域のスポーツクラブの育成と矛盾することになり、中体連・高体連と足立区のそれぞれの活動の在り方をどうしていくべきか、ということについて課題として検討する必要がある。

 「部活動」も、大会等に参加せず、その競技や内容を純粋に楽しむために行う「ゆる部」の考え方も出てきています。文部科学省は令和5年度を目標に、週休日(土日)の部活動について、「地域部活動」に移行し、その指導を教員から地域の指導者に移行するとの方向性も出されています。

 「勝利至上主義」がもたらした「行き過ぎた部活動」・・・、夜19時まで学校で練習し、任意参加と言いながら全員参加を強制し夜21時過ぎまで公共施設でさらに練習する部活動を見たことがあります。もはやこんな部活動経営は許されません。

 部活動の活動時間や休養日の設定はそのためのものです。部活動は教育活動の一環ではありますが、優先順位は高くありません。学校は子供の学力・体力・豊かな心をバランスよく育成していくためにあることを御理解くださいますようお願いいたします。