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2021-01-20

総合的な学習の時間「縄文学習」 北海道・北東北の縄文遺跡群

 文化審議会より2021年審議の正式候補に推薦され、イコモスによる現地調査を経て、早ければ今年の7月に世界遺産に登録さされる予定の「北海道・北東北の縄文遺跡群」。その縄文遺跡群を構成する「大船遺跡」と「垣ノ島遺跡」を校区内にもつ臼尻中学校では、総合的な学習の時間に「縄文学習」を実施しています。

 函館市教育委員会文化財課の職員の方に来校していただき、南茅部地域の縄文文化の概要や「大船遺跡」「垣ノ島遺跡」がどのような遺跡なのか、その重要性等について学習します。これも校区内にある「縄文文化交流センター」を生徒たちが訪問し、実際の遺物を直接見ることで学習を深めます。センターには北海道唯一の国宝「中空土偶」が展示してあります。これを見るだけでも「縄文学習」を進めるうえで大きな意味があります。

「大船遺跡」は、約千年にわたって継続した縄文時代の集落の遺跡です。「三内丸山遺跡」と同じく、かつての縄文時代のイメージを大きく覆す遺跡の一つです。

「垣ノ島遺跡」は、コの字の形をした大規模な盛土遺溝で、祭祀などの儀礼的な場所として考えられ、今でも見てわかる遺跡です。また、ここからは世界最古の漆製品が発見されています。

 千年にわたり大規模な集落が維持できたのは、豊かな生活がそこにあったということだと思います。豊かな生活が豊かな精神文化を生み出したのでしょう。

 そんな遺跡が臼尻中学校区内にあるということ、今でも昆布などの豊かな海の恵みがこの地域を支えているということ、これだけですごいことです。

 1年生は、来週文化財課の職員の方に来校していただき、縄文文化について講話を聴きます。2月には縄文文化交流センターを訪問します。「昔のこと」ではなく、「我々の生活に連綿と続いていること」として、学んできてほしいと思います。