函館市立臼尻中学校ブログ   

2021-01-20

「正しい字形」って?

 文化庁が平成28年に発出した「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)について」によよると、「正しい字形をきっちりと教えるべきではないか 漢字は,正しい字形を,きっちりと教える必要があると思います。そのような考えは間違っているでしょうか。」の問いに対して、「A 漢字には,一つだけの正しい形があるわけではありません。そのことを踏まえた上で,より整った,読みやすい字を書こうとする気持ちは尊重されるべきです。」とあり、「正しい字形」という考え方自体が間違っているとしています。100人いれば100とおりの手書き字形ができあがるとも。また、手書き文字と印刷文字はそれぞれに正しい字形であり、表し方に独自の特徴や習慣があるため、違って見えるだけであるとも。「ポップ体は授業で使うべきではない」といった人もいましたが・・・。

 読みやすい字ということで、学校現場ではユニバーサルデザイン書体が使われだしています。特別支援教育の視点からのものです。

 障がいの有無にかかわらず、すべての人にわかりやすい書体を使う、という考え方がユニバーサルデザイン書体を生み出しました。弱視の方やディスレクシアの方に配慮したデザインだそうです。

 「正しい字形」に凝り固まらずに、どんな人にでも伝わるかどうかという視点が、学校現場でほしいですね。はねるかはらうかなどという些細なことにこだわっていては、漢字嫌いの子供を生み出してしまうような気がします。