「ゲーム障害は脳の理性が働かない状態」、これだけを聞くとゲームそのものが脳機能を破壊すると誤解されてしまいますが、そんなことはありません。
ゲームやネットは脳の認知機能を高めるという研究結果も発表されています。
日本アクティビティ協会で、2017年に諏訪東京理科大学・篠原菊紀教授の協力のもと、「デジタルアクティビティ体験」がシニア世代の脳に与える影響について、脳科学的な観点から調査を行ったそうです。ネットゲームをプレイ中のシニア世代の脳血流を測定したところ、共通して認知機能低下予防に重要な脳の部位(左右の前頭前野)の活動が高まる結果となったそうです。
この事例から、ゲーム自体が「脳の理性を働かせなくする」ものではなく、むしろ脳機能を高める側面もあると考えることができます。もちろんやりすぎは体に良くないので「30分に1回は休憩」「始める前に手指の準備運動、終わったら深呼吸やストレッチ」等が必要だということです。
2017年時点での総務省の発表によると、60代の約76%がインターネットを利用し、3人に1人がスマホを利用しているそうです。シニア世代がゲームをeスポーツとして楽しむ時代になってきました。
eスポーツは年齢や障害の有無を超えてだれもが楽しめるバリアフリースポーツです。このeスポーツが認知されてきている現在、ネットやゲームを「危険なもの」「退けるべきもの」として、学校現場で扱うのではなく、適切な楽しみ方をアドバイスすることが必要なのではないでしょうか。
70代、80代の高齢の方がeスポーツに取り組んだ結果、脳認知機能が正常に戻ったとの研究結果も出ています。「ゲーム=悪」ではなく効果的な活用も考えていくべき時期が来ていると思います。