教職員(教頭・教諭・養護教諭・事務職員)の勤務時間は7時間45分です。本校で言えば8時5分勤務開始、16時35分勤務終了です。休憩時間は15時40分から16時25分。給食時間は給食指導の時間なので休憩時間ではありません。
実際には朝7時30分ごろに出勤してきたり、退勤時間を過ぎても部活動や教育事務でなかなか退勤できなかったりする教職員が少なからずいます。平成28年度の調査では過労死ラインの残業時間月80時間を超えている中学校の教員が6割近くいるとの結果が出ました。
「勤務時間以外の在校時間を月45時間以内に。午後7時までには退勤できるように。」を実効性あるものにするためには、踏み込んだ業務改善が必要です。ただ、「残業時間が月45時間」だとしても教職員に残業手当は保障されていません。さらに、毎日夜7時近くまで勤務している教員については、勤務時間以外の在校時間が3時間近くになります。つまり、月約60時間の残業をしている換算になります。教員には残業手当が支給されない代わりに給与の3%にあたる「教員調整額」が支給されていますが、民間の残業代換算すると月5時間程度の残業代にしかなりません。つまり、月55時間近くが無給で働いていることになります。これは、民間や他の公務員と比較しても、異常な状況です。
教員は基本的にまじめであること、「子供のため」には労力をいとわないこと、無給の時間があると知りながら「子供のため」に勤務時間を超えてまで無理をすること、これに甘えてはいけないと感じています。
ある教育委員会の事務局から朝2時発出のメールを受け取ったことがありました。担当の係長さんの超過勤務を心配しましたが、そのメールを処理する教職員の負担も増加しています。昨年度メールで処理した調査が212件ありました。今年度(2月24日付)で180件です。メールの処理だけだと、一日平均10~20、年間で2000~3000近くのメールを処理しています。中には学校教育とかけ離れた内容もあり、それでもメールを開き、読み、添付の圧縮フォルダを開くだけで、それなりの時間を取られてしまいます。メールは便利ですが、便利なゆえに取捨選択が効果的になされないと、業務改善にはつながりません。
学校でできることには限界があります。人を増やすことが最善策ですが、それができない以上、学校課題の解決、つまり学校として子供に一番身に付けさせなければいけない教育活動を重点的に実施し、それ以外の業務については思い切って縮小や削減していく必要があります。
教職員が過労死寸前で疲れ切って子供と向かい合うことで、いい教育は生まれません。ゆとりをもって、プライベートが充実できる環境を整えることで、元気に子供と向かい合うことができるのだと考えます。学校としては、教員が教育活動に専念できる環境をしっかり整えていくための体制づくりをしっかりしていきます。