函館市立臼尻中学校 いじめ防止基本方針ダイジェスト版 |
令和3年4月9日
いじめ問題に取り組むにあたっては、「いじめ問題」にはどのような特質があるかを十分に認識し、日々「未然防止」と「早期発見」に取り組むとともに、いじめが認知された場合の「早期対応」に的確に取り組むことが必要である。本方針は、「いじめ防止対策推進法第13条」に基づくとともに、「北海道子どものいじめ防止に関する条例」及び「函館市いじめ防止基本方針」を受け、本校では全校生徒が「いじめのない明るく楽しい学校生活」を送ることができるように、「いじめ防止基本方針」を策定した。
1 いじめ防止に関わる本校のスローガンと意義
~いじめ防止に関わるスローガン~
☆日々のふれあいと高いアンテナを ☆いじめ対応は24時間以内に |
~いじめ防止に関わる意義~
○教職員がいじめを抱え込まず、組織として一貫した対応となる
○対応の方針を示すことで、児童生徒や保護者の安心感やいじめの抑止につながる
○加害者への成長支援の観点を基本方針に位置付けることで加害者への支援につながる。
2 いじめの定義といじめに対する本校の基本認識
いじめの定義 「いじめ」とは、児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係のある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものも含む。)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているものをいう。(いじめ防止対策推進法第2条) けんかやふざけ合いであっても、見えない所で被害が発生している場合もあるため、背景にある事情の調査を行い、児童生徒の感じる被害性に着目し、いじめに該当するか否かを判断すること。(いじめの防止等のための基本的な方針 平成29年4月改訂) |
いじめ防止のための基本姿勢として、以下のポイントをあげる。
★いじめを許さない、見過ごさない雰囲気づくりに努める。 ★生徒一人一人の自己有用感を高め、自尊感情を育む教育活動を推進する。 ★いじめの早期発見のために、様々な手段を講じる。 ★いじめの早期解決のために、当該生徒の安全を保証するとともに、学校内だけでなく 各種団体や専門家と協力をして、解決にあたる。 ★学校と家庭が協力して、事後指導にあたる。 |
3 いじめの未然防止の取組
(1)いじめを許さない、見過ごさない雰囲気づくりに努める
~生徒達や学級の様子を知る~
(ア) 積極的な「ふれあい活動」
朝の時間帯(登校~朝の学活)・10分休み・給食準備~給食・昼休み・帰りの時間帯・部活動終了(~完全下校)等の時間に、生徒とのふれあいを図る。また、教師は、授業開始のチャイムとともに授業が始まるよう教室に行く。
(イ)街頭でのあいさつ指導
街頭指導とともに行う。
(ウ) 効果的な学級指導
担任は、4月はじめの学級活動において、「いじめは絶対許さない」旨の学級指導を行う。いじめを見て見ぬふりをすることは「傍観者」として、いじめに加担している等のいじめ問題の基本認識を、生徒と共有する。
(2)生徒一人一人の自己有用感を高め、自尊感情を育む教育活動を進める
~一人一人が活躍できる学習活動や学級活動、学校行事を目指して~
(ア) 安心して自分を表現できる授業づくり
・発問や指導方法の工夫
・校内研修の充実、積極的な授業発表
・見通しをもって学習に取り組めるような年間指導計画の見直し
(イ) 人とつながる喜びを味わう体験学習
・総合的な学習の時間の工夫。
・友達と分かり合える楽しさを実感できる学校行事や生徒会活動の工夫。
・主体的な活動を通して、生徒達が自分自身を価値ある存在と認められる部活動。
(3)命や人権を尊重し豊かな心を育てる
(ア)人権教育の充実
いじめは、「相手の人権を踏みにじる行為であり、決して許されるものではない」ことを生徒達に理解させることが大切である。また、生徒達が人の痛みを思いやることができるよう、人権教育の基盤である生命尊重の精神や人権感覚を育むとともに、人権意識の高揚を図る必要がある。
(イ)道徳教育の充実
生徒達は、心根が揺さぶられる教材や資料に出会い、人としての「気高さ」や「心づかい」、「やさしさ」等に触れれば、自分自身の生活や言動を省み、いじめの抑止につながると考える。
(ウ)学級活動の充実
生徒達の学校生活の母体となる学級内の活動を充実させる。
(エ)生徒会活動の工夫
生徒会としての主体的な活動を通して、生徒自身が「いじめ撲滅」に取り組むことは、大人では見つけられない「いじめ」の発見へつながっていくものと期待される。
(4)保護者や地域の方への働きかけ
PTAの各種会議や保護者会等において、いじめの実態や指導方針などの情報を提供し、意見交換する場を設けることと、広報活動を積極的に行う。
(ア)授業参観等
授業参観において、保護者に道徳科や特別活動等の時間を公開する。
(イ)学級通信・学校だより
いじめへの取組について学級通信や学校だよりを通して保護者に協力を呼びかけて、その内容に関しての意見をもらう。
(5)教師自身の言動の振り返り
教師の言動が、生徒に与える影響の大きさを確認し、生徒を傷つけたり、他の生徒によるいじめを助長したりしていないかを確認する。
(6)自主性と放任
部活動等で生徒の自主性を重んじるばかりに、円滑な活動を行う上での管理等を十 分に行われてないことがないようにする。
4 いじめの早期発見の取組
~教職員のいじめに気づく力を高める~
集団の中で配慮を要する生徒達に気付き、生徒達の些細な言動から、表情の裏にある心の叫びを敏感に感じとれるよう、共感的に生徒達の気持ちや行動・価値観を理解しようとするカウンセリング・マインド(生徒と楽しく過ごす、スキンシップ能力)を高める。また、いじめの態様について、その行為が犯罪行為として取り扱われるべきと認められる場合は、いじめられている生徒を守り通すという観点から、毅然とした対応をとる。
~具体的な取組~
(ア) 日々の観察
生徒がいるところには、教職員がいることを目指す。学年団や生徒指導部に報告・相談し、気付いたことを共有することにより大勢の目で当該生徒を見守る。
(イ) 教育相談(学校カウンセリング)
・定例の教育相談 年2回(5月、10月)
・チャレンジ相談の設定
(ウ) いじめ実態調査アンケート
・生徒対象いじめアンケート調査・アセスの実施 年2回(5月、10月)
・教育相談を通じた学級担任による生徒からの聞き取り調査 年2回(5月、10月)
~いじめの早期解決のために、全職員が一致団結して対応にあたる~
*いじめを受けた生徒等が安心して教育を受けられる必要があると認められるときは、保護者と連携を図りながら、一定期間、別室等において学習を行わせる措置を講ずる。
*傍観者の立場にいる生徒たちにもいじめているのと同様であるということを指導する。
*いじめられている生徒の心の傷を癒すために、養護教諭と連携を取りながら、指導を行っていく。
*学校や家庭にはなかなか話すことができないような状況であれば、「いじめ相談電話」等のいじめ問題などの相談窓口の利用も検討する。
*犯罪行為として取り扱われるべきいじめについては、函館市教育委員会及び所轄警察署等と連携して対処する。
~いじめ問題に取り組むための校内組織~
いじめの防止等の対策のための組織「いじめ等対策委員会」の設置
<構成員> 校長、教頭、生徒指導主事、養護教諭、学年団代表、関係職員(専門家)
<活 動>
①いじめの早期発見に関すること(アンケート調査、教育相談等)
②いじめ防止に関すること。
③いじめ事案に対する対応に関すること。
④いじめが心身に及ぼす影響その他のいじめの問題に関する生徒の理解を深めること。
⑤いじめの問題への対応には、「複数の目」「外部の目」という2つの視点で対応する。
<開 催>
①月1回を定例会(生徒指導部会をベース)とし、いじめ事案発生時は緊急開催とする。
<いじめの事案の有無の確認及び設置者への報告>
① 発見・通報を受けた教職員は「いじめ等対策委員会」と直ちに情報を共有する。
② 「いじめ等対策委員会」が中心となり、速やかに関係生徒から事情を聞き取り、いじめの事実を確認する。
③ 事実確認の結果は、校長の責任のもと函館市教育委員会へ教頭が報告する。
<警察との連携>
いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものと認めるときは、警察と相談して対処する。
なお、生徒の生命、身体、財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは、直ちに警察に通
報し、適切に支援を求める。
5 ネット上のいじめへの対応
(1)未然防止のためには
~保護者会等で伝えたいこと~
〈未然防止の観点から〉
●生徒たちのパソコンや携帯電話等を第一義的に管理するのは家庭であり、フィルタリングだけでなく、家庭において生徒たちを危険から守るためのルールづくりを行うこと、特に携帯電話・スマートフォンを持たせる必要性について検討すること。
●インターネットへのアクセスは、「トラブルの入り口に立っている」という認識や、知らぬ間に利用者の個人情報が流出するといったスマートフォン特有のトラブルが起こっているという認識をもつこと。
●「ネット上のいじめ」は、他の様々ないじめ以上に生徒たちに深刻な影響を与えることを認識すること。
〈早期発見の観点から〉
●家庭では、SNSやメールを見たときの表情の変化など、トラブルに巻き込まれた生徒が見せる小さな変化に気づけば躊躇なく問いかけ、即座に、学校へ相談すること。
~情報モラルに関する指導の際、生徒たちに理解させるポイント~
インターネットの特殊性による危険や生徒が陥りやすい心理を踏まえた指導を行う。
(2)早期発見・早期対応のためには
~関係機関と連携したネット上の書き込みや画像等への対応~
●書き込みや画像の削除やチェーンメールへの対応等、具体的な対応方法を子ども、保護者に助言し、協力して取り組む必要がある。
●学校、保護者だけでは解決が困難な事例が多く、警察等の専門機関との連携が必要になる。
6 重大事案への対処
生命・心身又は財産に重大な被害が生じた疑いや、相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがある場合は、次の対処を行う。
(ア)重大事態が発生した旨を、函館市教育委員会に速やかに報告する。
(イ)教育委員会と協議の上、当該事案に対処する組織を設置する。
(ウ)上記組織を中心として、事実関係を明確にするための調査を実施する。
(エ)上記調査結果については、いじめを受けた児童・保護者に対し、事実関係その他の必要な情報を適切に提供する。
7 いじめの解消
いじめの解消の見極めに当たっては、学校や保護者の他、必要に応じてスクールカウンセラーなどを含めたいじめ等対策委員会を活用し、判断する。
<目安>
(1)いじめに係る行為が止んでいること
・被害生徒に対する心理的又は物理的な影響を与える行為が止んでいる状態が相当の期 間継続している。
・期間は少なくとも3か月を目安とする。
(2) 被害児童生徒が心身の苦痛を感じていないこと
・被害生徒がいじめの行為により心身の苦痛を感じていない。
・被害生徒本人及びその保護者に対し、面談等により確認する。
・学校は、被害生徒を徹底的に守り通し、その安全・安心を確保する。